米国、小型株 バイオテクノロジー スキャンポ 2016年第4四半期と年度末決算

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

私が保有するアメリカのバイオテクノロジー株 スキャンポ SUCAMPO (SCMP)が2017年3月8日に第4四半期の決算と2016年度決算を発表したのでその内容を書きたいと思います。
ちなみにスキャンポでの私の投資成績は、含み損がマイナス50%まで下がってきたところであります。

スキャンポについて

スキャンポ社は、患者さんのアンメットメディカルニーズを満たす薬剤の開発と販売に取り組むグローバル企業です。
スキャンポ社では現在AMITIZA®およびRESCURA®の2つの製品を販売しており、開発中のパイプラインを有しています。
米国メリーランド州ベセスダに本社を置き、日本、スイス、イギリスに拠点を設けています。詳しい情報はhttp://www.sucampo.comをご覧ください。

2014年10月22日 武田薬品のプレスリリースより

小型の成長株で時価総額が5億5000万ドルです。ちなみにコカ・コーラの時価総額は1800億ドルです。

アミティーザ(AMITIZA)は便秘薬。RESCULAは緑内障の薬です。

ハイライト

  • 継続的な売り上げの成長が利益成長につながった
  • 2017年のガイダンスは変更なし
  • 重役の異動を発表

第4四半期業績

売上

前年同月比 +32%で 7300万ドルになる。
日本におけるアミティーザの売り上げが1000万ドルになった。2015年は500万ドルだった。

純利益とEPS

  • 純利益は前年同月比 +51%で 1530万ドルになる。
  • EPS前年同期比に対し +49%の $0.34

調整後純利益

調整ベースでは2016年の純利益6620万ドルで前年度比 +52%増加となる。

第4四半期,調整後純利益は3070万ドル。EPSは0.68$ 前年度比+60%

調整後純利益は、以下の予想しにくい変動要因でキャッシュでない特別項目を調整したもの。

  • 無形資産の減価償却
  • 棚卸資産の時価評価(inventory step-up)
  • 研究開発費無形固定資産の減損処理(impairment)
  • リストラコスト
  • 訴訟和解金
  • 買収関連費用
  • 負債調達費用の償却
  • 債務の償還( extinguishment)
  • 研究開発費オプション経費
  • 買収関連繰り延べ収益
  • 為替
  • 上記項目に関係する税金

2016年度業績

売上

  • 2016年度売上: +50%, 2億3000万ドル
  • 製品の売り上げは1億2800万ドル, +94%
  • ロイヤリティーの売り上げは8250万ドル, +11%
  • 2016年の年間売り上げは2015年10月20日に買収したR-Tech Uenoの売上5550万$を含む。
    この買収を除くと+22%の売り上げ増加

純利益とEPS

  • 純利益:マイナス45%, 1850万ドル
  • EPS:マイナス43%, $0.42

この変動はR-Tech Uenoの買収からくる棚卸資産の時価評価額の増加(inventory step-up)と無形資産の減価償却による。

調整後純利益とEPS

第4四半期の調整後EPS

調整ベースでは2016年のEPS の増加となる。

  • 純利益:6620万ドル, 前年度比 +52%
  • EPS:1.51ドルで前年度比 +58%

人事異動

CFOがさらなる機会を追及するため家族とともにヨーロッパへ移動。
CPA(米国公認会計士)のPeter PfreundschuhがCFOになる。3月20日から。
Jones “Woody” Bryan, Ph.Dがビジネス開発とライセンシングの上級副社長になる。

CEO Peter Greenleafのコメント

強力な第4四半期で達成した業績は、著しい売上、純利益の成長といくつかの会社の重要な目標の達成で彩られたの2016年は非常に成功した年だった。
引き続き素晴らしい業績とさらなる成長、製品ラインナップの拡充という戦略的移行の実行により
我々は2017年もこの勢いを維持すると期待する。

2016年第4四半期活動

AMITIZA アミティーザ (アメリカ市場)

  • 2017年3月2日, スキャンポはAmneal Pharmaceuticals社がアミティーザのオピオイド誘発性便秘(opioid induced constipation) 治療のための8mcgと24mcgのソフトゼラチンカプセル版でジェネリック医薬品を作る承認申請を出したとの通知を受けた。

    スキャンポはその通知内容が特許に抵触するか確認中。アミティーザは15の2027年まで有効な特許で保護されている。

  • IMS社によるとアミティーザの第4四半期合計、処方数(prescriptions)は383863。2015年より2%減少。
    武田薬品の報告によるとロイヤリティー算出のベースになるアミティーザの2016年第4四半期売り上げは1億1400万ドルで11%増加。
    この増加は価格とロイヤリティーレートの影響によるもの。

    2016年度では処方数1,487,641で2015年より1%増加。売り上げは4億1650万ドルで10%の増加。

  • ロイヤリティーの2016年度第4四半期の売り上げは2630万ドル、+15%。
    2016年度では8230万ドルで+11%。

    R-TECH UENO買収による武田のアミティーザ売り上げは第4四半期で1320万ドル +28%.
    2016年度では4520万ドル。2015年度は1030万ドル

AMITIZA アミティーザ (世界市場)

日本。マイラン社への売り上げは第4四半期、2620万ドル、+46%。
2016年度は7270万ドル+35%。販売数は1億3700万ユニットで+41%。

財務

2016年12月27日、スキャンポは私募による元本総額3億ドルの優先転換可能社債(3.25%利回り)をLeerin Partners LLCに販売。
集められたお金は全ての2億5000万ドルの与信契約書の支払いに充てられる。残りは通常の事業に割使われる。
過去記事:米国、バイオ株スキャンポ、転換社債発行で株価一日で20%急落

研究開発

ルビプロストン絵拡散型(sprinkle formulation) の臨床試験開発が2016年12月に始まった。

最初の健常なボランティアの比較対象薬物動態(pharmacokinetics)と食品効果 生物学的利用能(bioavailability)検証は終了。トップラインの結果が2017年第1四半期に出る。
同時に、プラセボ比較(placebo-controlled)の生物学的同等性(bioequivalence)検証 拡散型とカプセル型のルビプロストンの成人CIC(クロライドイオンチャネル)患者へ実施も始める。

成人向け拡散型の承認用sNDAは2017年第2四半期に提出する意向。

2017年ガイダンス

  • 売上:2億2000万ドル-2億3000万ドル
  • 調整後利益:8000万ドル-9000万ドル

調整後利益が第3四半期の時のガイダンスより500万ドル増えています。これが決算直後の株価上昇の原因でしょうか?

フェーズ3 パイプライン

3月21日オッペンハイマー 27回目 年間ヘルスケア会議用資料より

プログラム 対象 病名 NDA(アメリカ食品医薬局)/
MAA(販売承認申請)提出
承認
アミティーザ タイプ2-クロライドイオンチャネル(CIC2) 小児機能性便秘症(6歳-17歳) 2017 2018
ルビプロストン拡散型 タイプ2-クロライドイオンチャネル(CIC2) 小児機能性便秘症(6歳-17歳)
(1)6か月-5歳,
(2)慢性突発性便秘症を持つ成人
(1) 2018
(2) 2017
(1)2019
(2)2018
CPP1-X/スリンダク組み合わせ製品 ポリアミン 家族性大腸腺腫症 2018 2019

株価

株価は現在10.5ドルと決算直後に10%近く上がったにもかかわらず、その後急落して決算前よりも低い値です。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

  1. おさる より:

    いつも分かりやすい記事ありがとうございます。スキャンポ社の前期の決算、個人的にはまあまあ良いかと思いましたが、株価は下がってしまいましたね。いつも決算直後にGUして、その後に下げ続けますよね。
    調整後のEPS1.5$で計算するとPER約7倍で割安に感じますが、調整前だとPER約25倍なので、評価が難しいですね。
    アールテックの利益がかなり貢献してるみたいでスキャンポ単体では伸びが鈍化しているように感じました。
    アミティーザ頼みなのが一番ネックですかね。
    短中期的には株価は厳しそうですね。
    しかし、東北大でアミティーザ(ルビプロストン)を使った慢性腎臓病の臨床試験をしているのと、スキャンポ社がS&P小型株600に入ったみたいですので、気長に応援するつもりで先週買い増しをしました。
    それでもまだ含み損ですが。
    けいるんさんは、長期で保有される予定ですか?

  2. けいるん より:

    おさるさん。
    いつもコメントありがとうございます。
    記事にパイプラインの情報を追加しました。
    またおさるさんのコメントと質問に対し、長文になりそうだったので記事を書きました。
    米国株、含み損の成長株 スキャンポをいつ売るか
    読んでみてください

コメントを残す

*